中橋 愛生 コンセルト・マーチ「シンタックス・エラー」

■中橋 愛生 コンセルト・マーチ「シンタックス・エラー」
【作曲家プロフィール】

■レンタル価格:15,000円(税別 )

■演奏時間:約3分10秒

■演奏レベル(5段階):4+

■演奏可能最低人数:35人

サンプル音源(MP3)


■作品解説
「マーチ」とは何であろう。それは曲や人によって様々であろう けれども、今回は仮に「常に同一方向へのベクトルを持つ音楽」と してみよう。放っておいても勝手に一つの方向へ進んでいく推進力を 持つ形式は、考えてみれば極めて特殊なものである。ならば、この 形式を「解体」するのではなく、そこに敢えて「搭載される」ことに 何か新しさはないだろうか。それがこの曲の発想のスタートと なった。 タイトルはコンピューター用語の一種で「構文上の誤り」を 意味する。マーチにおける「ごく単純な拍節構造」(だからこそ、 比類無き推進力を生むのだが)は、ある種の「構文」と言うこと ができよう。また、よく用いられる伝統的な形式も「構文」と 言える。この曲ではそのような「構文」を嫌味なまでに踏襲し つつも、かなり悪辣な手法でそこからの逸脱(というよりも 「エラー」である)を随所に仕込んでいる。これらの「エラー」は 非常に「構文」に近い形で混ぜられているため、かえって奏者には 「違和感」を覚えさせる。しかし、何となく聞いている人には 「普通のマーチ」に聞こえるだろう。この微妙な距離感が「解体」 ではない「歪み」の面 白さを生むことを意図した。エラーは 大きく二つの性質に分けられ、一つがクローズアップすべき 「逸脱の面白さ」であり、もう一つは逆に「克服すべき」エラー である。 なお、欧文タイトルは《Concert[o] March "Syntax Errors"》で、 「演奏会用」と「協奏的」(この場合はラテン語起源ではなく イタリア語起源のほう)とを掛けてあるのだが、どちらにしろ 英語では「コンセルト」とは発音しないのであって、ここにも 一つの「エラー」がある。  
2004年3月に作曲。2004年の野中図洋和指揮の陸上自衛隊中央 音楽隊によるレコーディングが初演(KING RECORDS/KICW 3014)で、 公開初演は2005年4月17日に若林義人指揮の龍谷シンフォニック バンドによる。 (中橋愛生)

 

<楽器編成表>
Picc
●(1)
Trp1
●(1)
Fl1
●(1)
Trp2
●(1)
Fl2
●(1)
Trp3
●(1)
Ob
●(1)
Hn1
●(1)
Bn
○(1)
Hn2
●(1)
Es♭
●(1)
Hn3
●(1)
B♭Cl1
●(2)
Hn4
●(1)
B♭Cl2
●(2)
Trb1
●(1)
B♭Cl3
●(2)
Trb2
●(1)
Alto.Cl
○(1)
Trb3
●(1)
BassCl
●(1)
Euph
●(1)
A.Sax1
●(1)
Tuba
●(2)
A.Sax2
●(1)
St.Bass
●(1)
T.Sax
●(1)
B.Sax
●(1)
 
Perc1
Snare Drum
Perc2
Bass Drum
Perc3
Crash Cymbals, Tam-Tam, Cow Bell
Perc4
Glockenspiel, Tam-Tam
Perc5
Xylophone, Tam-Tam Xylophone, Tam-Tam
(  )内の数字は最小人数です。
●・・・必要なパート
○・・・いなくても大丈夫なパート

 

 

 

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